家族葬で迷う近所の会葬者と香典への対応

家族葬の場合、親族や企業関係は事前通知やお葬式後の挨拶状で、身内だけで執り行うことについて理解を得られますが、問題なのは近隣住民や故人と深い親交があった知人の対応です。大都会で暮らしていると想像しづらいかもしれませんが、地方ではだれかが亡くなったという情報は人づてにすぐに広がります。高齢者が多く人と人のつながりが濃密な地方では伝統的なお葬式が普通で、家族葬という様式があることを知らない方もいます。

家族葬をしている最中に、逝去を知った近所の方が一般的なお葬式と思って会場に駆け付けるというケースは結構あります。この場合の対応はとても難しいです。家族ではないけれども、故人の死を悲しみ最期のお別れをしたいという思いを断ることはできないという気持ちに傾けば感謝して一緒に故人の冥福を祈ることになります。しかし、そうなると家族葬だけれどもお葬式会場に行けば大丈夫という情報が流れて収拾がつかなくなることも懸念されます。あくまで本来は身内だけの家族葬であるということを理解していただくことが混乱を防ぎます。

もう一つの悩ましい問題は香典です。身内だけのお葬式とはいっても、やや遠縁の方の中には香典を用意してくる人もいます。差し出された香典を押し戻すというのは失礼にあたるのかどうかは、葬家の判断によります。その場ではいただいておいて、後日何らかの形でお返しをするというのが一般的ですが、家族葬なので香典はいただかないということを明確に伝えることですっきり納得してもらえる場合もあり、まさにケースバイケースです。喪主や近しい遺族がそれぞれ離れて暮らしているので香典返しもままならないなどの現実的な理由を説明すると、比較的すんなりと納得してもらえることがあります。